光射さない扉

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【SV S11】月影クマカイリュー【最終2169-13位、最終2162-17位】

 

使用TN:MiraCraPark!、You&(A)I

成績:最終2169-13位、最終2162-17位

 

【構築コンセプト】

・匿名性の高さから生じる認識のズレを活かす。

・数値の高さで殴り勝つ。

 

【構築経緯】

 

1.新環境の1シーズン目では、新しく解禁された使用率の高いポケモンを、流行している構成とは異なる革新的な型で使用したプレイヤーが勝っている印象がある。今回は赫月ガチグマがその条件に1番合っていると判断して構築を組み始めた。

考察の結果、環境上位の多くに対面突破or流して裏を削るor裏の起点にするといった強い動きを、相手に応じて柔軟に選択できる毒テラス+オボンの実+瞑想欠伸型での採用を決めた。

 

2.欠伸との相性が良く、明確な物理受けの居ない構築に対して強力かつ安定した勝ち筋となる神速+竜の舞+羽休め型のカイリューを採用。甘えるハバタクカミへのメタと、威嚇や岩石封じで全抜きを阻止されることを防ぐためにクリアチャームを持たせた。

 

3.パオジアンや霊獣ランドロスに有利で、カイリューに対して高いストッパー性能を持ち、テラス水流連打で並耐久の相手ならば上から一発で倒せるほどの強い圧力を掛けられるといった要素から、どんな展開においても高いパワーを出せる拘りスカーフ連撃ウーラオスを採用。

 

4.連撃ウーラオスと同じく上からの制圧力が高く、受け寄りの構築を崩したり起点作りから展開する構築への潰し、終盤のスイーパーになる拘り眼鏡ハバタクカミを採用。

 

5.重い礎オーガポンに対面勝てて、2体で纏まった際に裏に置くことで選出のパワーを落とさずに汎用的に動かせる気合いの襷パオジアンを採用。

 

6.上記5体でスタンダードな並びには大体勝てるので、キョジオーンやドオーなどの低火力の受けが絡んだ選出やトリックルームから赫月ガチグマを通しにくる相手に滅法強く、カイリューやハバタクカミといった環境トップにもある程度戦える瞑想+身代わり型のクレセリアを採用。

 

【個体紹介】

 

赫月ガチグマ@オボンの実

テラスタイプ:毒

特性:心眼

実数値:219(244)-×-154(108)-171(4+)-86(4)-91(148)

技構成:ブラッドムーン 真空波 瞑想 欠伸

◇H:H217コノヨザルの命懸け耐え

◇B:A200連撃ウーラオスインファイト+アクアジェットで~282(5.9%)

◎S:無振りチオンジェン抜き

 

構築の組み始め。瞑想やオボンの実込みでの高い耐久力とブラッドムーン+真空波により対面性能に優れている。欠伸はブラッドムーンの隙を潰す、裏にブラッドムーンが入るor対面のポケモンを寝かせるという相手視点厳しい択を迫る、見えにくい積みに対する切り返し手段となるといったように立ち回りの幅を増やせる点が強力である。火力は振らなくても役割対象には十分足りている+瞑想による増強が可能であることから、ミラーで上から瞑想を通すためにSに大きく割いた。副産物として今季増えていた両刀カイリューの上から動かせてテンポを取りやすくなるなど便利だった。テラスタイプは草、格闘、フェアリーを半減しながら水と氷を等倍に抑えられる毒。

 

カイリュー@クリアチャーム

テラスタイプ:ノーマル

特性:マルチスケイル

実数値:197(244)-200(220+)-116(4)-×-121(4)-105(36)

技構成:神速 地震 竜の舞 羽休め

◇S:S+3麻痺時準速イダイトウ抜き

 

カイリュー枠。赫月ガチグマで起点を作ってカイリューで竜の舞を積み全抜きを目指す際に、裏から出てくる甘えるハバタクカミや霊獣ランドロスに止められることを防ぐためにクリアチャームを持たせた。クリアチャームを持たせたカイリューは電気テラスで電磁波も拒否したり、飛行テラスで火力を引き出すものが一般的だが、自分はカイリューの本質はノーマルテラス神速による安定した制圧性能だと考えており、特に増加していたスケイルショットカイリューに対して同速やテラス択を廃して打ち勝てるようにしたかったので神速を採用しつつ、その火力を引き出せるノーマルテラスとした。Aを削っていた時ギリギリ耐えられることが多発したのでSを最低限HAベースのミラーで上が取れそうなラインまで落とし、可能な限りAに割いている。

 

連撃ウーラオス@拘りスカーフ 

テラスタイプ:水

特性:不可視の拳

実数値:179(28)-200(252+)-120-×-80-146(228)

技構成:水流連打 インファイト 冷凍パンチ 蜻蛉返り

◇A:165-110等倍霊獣ランドロスをテラス水流連打で168~

◇B:A204カイリューのA+2テラス神速で~181(6.3%)

◎S:最速S+1カイリュー抜き

 

高速エース。主にテラス水流連打による上からの制圧と中速の積みへの切り返しとしての役割が強く、パオジアンに安定するのがこのポケモンしか居ないこと、竜の舞を積んだテラスカイリュー(ノーマル、鋼)を上から処理できることから選出機会は多かった。構築にクッションが居ないので、蜻蛉返りはなるべくカイリュー交代読みでハバタクカミを着地させるといった使い方をしていた。ラスト1枠は冷凍パンチとアクアジェットで迷ったが、テラスを切っていないカイリューに撃つ機会を想定して冷凍パンチを選択した。努力値構成はAを削るとギリギリ落とせない相手が出てくるため特化、カイリューへのストッパーになるためにSに大きく割き、余りで神速に対応できるようにした。テラスタイプは前述した通り並耐久の相手であれば等倍でも上から1発で倒せる水。

 

ハバタクカミ@拘り眼鏡 

テラスタイプ:フェアリー

特性:古代活性

実数値:137(52)-×-77(12)-203(236+)-156(4)-181(204)

技構成:ムーンフォース シャドーボール 雷 パワージェム

◇B:A200連撃ウーラオスのA+2アクアジェットで~139(12.5%)

◇C:雷で157-163ドヒドイデに156~(93.8%)、テラスムーンフォースで179-121アローラキュウコンに180~

◇D:C198ハバタクカミのシャドーボールで~138(6.3%)

◎S:最速オーガポン+3

 

高速エース2。超火力によって一手で数的有利を取ることで相手の想定した試合展開を許さず、上から殴っているだけで簡単に勝てる試合も多かった。雷とパワージェムによってハバタクカミに有利とされているドヒドイデや竈オーガポン、ウルガモスなどを返り討ちにできるのも強力。火力と素早さによる制圧力を優先したため耐久を削っており、不意の行動保証持ちに貫かれる危険があるため選出する際はなるべく裏から出すことを意識した。テラスタイプは半減での受けすら無視して一貫を強引に作れたり、アローラキュウコンやDの低いカバルドンなどを一撃で倒して相手の展開を阻止するためにフェアリー。

 

パオジアン@気合いの襷

テラスタイプ:ゴースト

特性:災いの剣

実数値:155-189(252+)-101(4)-×-85-187(252)

技構成:氷柱落とし 聖なる剣 サイコファング 不意打ち

◇A:サイコファング+不意打ちで175-121連撃ウーラオスに175~

 

高速エース3。選出が2体で纏まった際に安定したり、逆に選出画面で困った時に出しておくと高い対面性能と氷柱落としによる上振れ、テラスタルによる無効化といった要素から噛み合いにより勝てることがあるので重宝した。サイコファング+不意打ちで耐久に振っていない連撃ウーラオスを倒せることと、ミラーでしか最速が活きる機会が無いことからA特化とした。テラスタイプは神速や格闘技を無効化して勝ちを拾えることのあるゴースト。

 

クレセリア@食べ残し

テラスタイプ:鋼

特性:浮遊

実数値:227(252)-×-158(108+)-96(4)-141(4)-123(140)

技構成:アシストパワー 瞑想 身代わり 月の光

◎準速キノガッサ抜き

 

メタ枠。上記の5体で正面からの殴り合いは概ね勝てるので、対策の薄いキョジオーンやドオーといった受け駒、対策しないと一方的に蹂躙されるトリックルームからの赫月ガチグマに対して勝てるポケモンを考えており、その中でもカイリュー、ハバタクカミなど環境トップとも戦えることを評価した。1ウェポンだとムーンフォースにしないと弊害が生じるのだが、悪タイプを割り切りそれ以外に勝てるようにアシストパワーを採用。一応赫月ガチグマと同居していることでこちらからのトリックルーム展開を意識させられて、一撃ウーラオスなどを選出誘導できた気がしている。テラスタイプは赫月ガチグマとカイリューを意識して鋼。

 

【構築の要点】

・数的有利からカイリューを通す

赫月ガチグマで1匹倒す→裏に欠伸を入れて倒される→カイリューの起点にして全部倒す、取りこぼしがあれば3体目で倒す。という展開は止められる相手が限られており、再現性が高く強力な勝ち筋となった。裏に置く連撃ウーラオス、ハバタクカミ、パオジアンの3体がどれも高速高火力であることで、プラン通りにならずとも捲り返せる場面が多い。

 

・認識のズレと噛み合い

現環境において全てをケアするのは基本的に不可能だと考えている。そのため、並びとしては一般的なもので安定した立ち回りをしつつ、メタ的な持ち物や技構成で認識のズレから生じた1ターンで相手を崩して勝つという展開を作ることがこのルールでは重要である。


【終わりに】

かなり構築に自信があったので公開せずに使おうとしていたが、全然勝てなくなって解散した。また自信のある構築を作れるよう日々研鑽を重ねていきたい。