使用TN:Oni♡Nuts
成績:最終2032-28位
S33お疲れ様でした。剣盾史上最も期間の長かったシリーズ12も、終わってしまえばあっという間だった気がします。
【コンセプト】
・どのような構築にも柔軟に対応できるようにする
・スタンダードな並びによる匿名性を活かす
【構築経緯】
1.このルールでは、禁伝枠にザシアン、ホウオウ、黒馬バドレックスの3体から2体を選ぶのが結論だと考えた。その中で、最も多い伝説でありながら人によって構成が違ってくるという匿名性の高さや、組み合わせ次第で特定の構築に対するメタとしても機能するという性質を評価し、ザシアンを1体目の伝説枠として採用した。ザシアンの選出範囲を最大化することを意識して技構成と調整を考察した。
2.上記より2体目の伝説枠はホウオウか黒馬バドレックスの選択だが、ホウオウを選択した際に、ザシアンが隙を見せるカバルドン、サンダー、霊獣ランドロスに対してホウオウも対応が難しく、反対に黒馬バドレックスならある程度切り返せること、ザシアンと組み合わせた際のホウオウの選択幅が狭いこと、黒馬バドレックスを採用するのであれば躊躇せずラッキーが採用できること、調整の幅で差をつけやすいことの4点を踏まえて、黒馬バドレックスを採用した。ダイジェットなどのS操作に対する切り返しと、後述するヌオーに気合いの襷を持たせたいと考えたことから拘りスカーフを持たせた。
3.ザシアン+黒馬バドレックスを選択したのは、一般枠最強格であるサンダー、霊獣ランドロスを構築に無理なく組み込めることも理由の1つであるためサンダーと霊獣ランドロスを採用した。それぞれダイマックス時に1番ポテンシャルを引き出せる命の珠と突撃チョッキを持たせた。
4.最後に、ここまででザシアンと黒馬バドレックスの一貫が切れておらずメタモンを通してしまうこと、上記4体が対面的な並びであることから、構築にサイクルや詰めの要素を用意し柔軟性を持たせられる点や、後攻眠りによる捲り性能が高いことを評価しラッキーとヌオーを採用し構築が完成した。ヌオーはザシアンが出てこないと崩しの起点にされやすいので、あらゆる対面で欠伸を押すことのできる気合いの襷を持たせた。
【個体紹介】
ザシアン@朽ちた剣
特性:不撓の剣
実数値:195(220)-220(76+)-139(28)-×-136(4)-191(180)
技構成:巨獣斬 戯れ付く 噛み砕く 剣の舞
◇A242ザシアンの+1巨獣斬+電光石火で~197
◇A+3戯れ付くで197-150サンダーに186~
◎準速拘りスカーフウオノラゴン抜き
構築の始点。多発するザシアンミラーを意識すると多少性能を下げてでも大幅にSに振った方が総合的な勝率を確保出来ると考え、Sに大きく割いた。相手のザシアンを上から倒す前提なので、巨獣斬+電光石火のダメージ量を見てB方面を丁度いいラインに設定し、剣の舞と合わせた崩し性能を確保するため残りをAに振った。技構成はあらゆる相手に撃つ巨獣斬、サンダーや水タイプを迅速に処理するための戯れ付く、Bダウンによる上振れや、巨獣斬耐えの黒馬バドレックスを倒せたり、対策として出てくるヌケニンや日食ネクロズマへの打点になることを評価して噛み砕く、S振りや眠りと相性が良く考慮外から捲りやすい剣の舞。
黒馬バドレックス@拘りスカーフ
特性:人馬一体
実数値:185(76)-×-129(228)-211(52+)-121(4)-189(148)
技構成:アストラルビット サイコショック ドレインキッス トリック
◇A242ザシアンの+1巨獣斬で~187
◇アストラルビット+ダイフェアリーで201-118イベルタルに196~
◎可能な限りS早め
恐らくこのルールにおける最強の伝説枠。採用理由より、サンダーや霊獣ランドロスなどのダイジェットを切り返すために拘りスカーフを持たせた。一般的な巨獣斬耐え調整でありながら出来る限りSを上げたことで多発するミラーにおいて一歩先を行く...つもりだったものの、少なからず抜かれる場面もあったため、耐久を下げてでもSを上げておくべきだったと感じている。この調整だとコピーザシアンに抜かれてしまうが、基本的にはメタモン入りに同時に選出しないため困る場面は無かった。技構成に関してはテンプレなので特筆すべき点は無いが、ドレインキッスの枠を色々変えてみたものの、どれもほぼ撃たなかったので検討が必要かもしれない。
サンダー@命の珠
特性:プレッシャー
実数値:165-×-105-177(252)-111(4)-167(252+)
技構成:雷 暴風 ボルトチェンジ 羽休め
◇ダイジェット+ダイサンダー(140)で199-136ザシアンに200~
最強一般枠。ではあるが、霊獣ランドロスの選出範囲が広く選出率は控えめ。しかし、カイオーガやイベルタル絡みにテンポを取るために最速+命の珠持ちのサンダーは必要不可欠だった。技構成はダイジェット媒体になる暴風、サイクルを回せて崩しにもなるボルトチェンジ、ダイウォール媒体になりプレッシャーと合わせて低火力に粘るための羽休めを確定として、ラスト1枠にはダイジェットと合わせてザシアンを倒せる技が必要だったので、雷、ライジングボルト、熱風を選択肢として、今回はカイオーガに出すことが多いため雷を採用した。
霊獣ランドロス@突撃チョッキ
特性:威嚇
実数値:171(52)-215(244+)-111(4)-×-102(12)-136(196)
◇C201イベルタルのダイジェット(130)+ダイアークで~348
◇ダイジェット+ダイロック+砂2回+命の珠反動2回で165-106サンダーに327~
◇A191ザシアンの+1巨獣斬で~172
◎ディアルガ、黒馬バドレックス、ザシアン意識で残りS
真の最強一般枠。このルールにおいては、採用しない際には他に地面枠が居るなどの理由が必要だと感じている。威嚇と突撃チョッキによって物理特殊どちらとも撃ち合えるため、とにかく選出しやすい。どのような組み合わせで選出しても強いが、サイクル構築に対し黒馬バドレックスとラッキーと共に選出することで崩していくことや、バドザシガエンに投げて受けを成立させない展開に持ち込むことが多かった。技構成はメインウェポンの地震と空を飛ぶは確定として、岩技には火力を重視してストーンエッジ、ダイナックル媒体には壁展開に有利を取れる瓦割りを採用した。
ラッキー@進化の奇石
特性:自然回復
実数値:357(252)-×-62(252+)-×-126(4)-49
技構成:歌う ステルスロック 甘える 卵産み
◎最遅
受け駒その1。特殊方面は素でカイオーガの雨潮吹きを受け切れる超耐久でありながら、物理方面は甘えるを絡めることで対面から命の珠ランドロスやインファイトの無いザシアンに役割をもてるという唯一無二の耐久性能を誇る。テンプレなので言うまでもないが、物理アタッカーを受け切れるようになる甘える、火力の補助としてアタッカーとの相性に優れるステルスロック、有利展開をより磐石にしたり、不利展開から一発逆転のチャンスを作れる歌うという構成により、どんな相手にも活躍の機会があり強力だった。世間的に歌うは運ゲーであるとしてかなり嫌われていて、自分も使うまでは否定的だったが、「外しても負けない」か「当てないと負け」の場面を明確に理解した上で撃つことを意識すれば、最も勝率を上げられる技として仕方のない要素だと思っている。
ヌオー@気合いの襷
特性:天然
実数値:202(252)-105-150(252+)-×-86(4)-55
受け駒その2。ザシアンに対し唯一後出しから受け切れると言える一般枠であり、対ザシアンとしてメジャーなメタモンを切り返すために必要なポケモン。構成は、ザシアンと組まれているカイオーガやイベルタルなどに対して気合いの襷を盾に欠伸で切り返せることや、グロウパンチによるゴチルゼル耐性、及びジガルデやポリゴン2などに対する遂行速度の速さから、前期記事のうち単体で1番強そうだと感じたものを拝借した。
【構築の要点】
・選出画面での圧により択を迫る
6体とも選出圧力の強いポケモンであるため、選出段階から相手にストレスフリーな試合展開を許しにくく、一方でこちらからはある程度の傾向を掴みやすい並びのため、相手視点のみ択に苦しむという場面を生みやすい。予想した展開から外れても個々の性能の高さと歌うによってアドリブが効くので、全てケアするのが難しいこのルールにおいて、構築全体の誤魔化し性能の高さが強さに直結していたと考えている。
・よく見る並びであることを逆手に取る
世の中にバドザシ構築の記事が増えれば増えるほど匿名性が増すため、環境に定着した後もプレイヤーを選ばず活躍する。今季は並び単位ではスタンダードな構築が増加傾向にあったが、その中でも特に構築の幅の広さと対応力の高さによって、多くの構築に有利に立ち回ることが出来た。
【終わりに】
社会人になって初めての最終2桁ということで、長らく失われていた自信を多少は取り戻すことが出来た。一方で、1桁に掠りもせず、最終戦で1位チャレンジを通してしまったため悔しさも大きい。バランスは崩れていたが崩れていたなりに楽しめたので、面白いルールだったと感じている。シリーズ13も楽しみなので、最後まで頑張りたい。